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石けんがなかったころの洗い方って?石けん誕生前の洗浄方法あれこれ

泡

 

石けんがなかったころの洗い方って?石けん誕生前の洗浄方法あれこれ

 

 

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現代の私たちは、身体や衣服を洗う時に、ごく当たり前に石けんを使用しています。人類が初めて石けんを作ったのは古代ローマ時代のころだと言われていますが、それから一般的に使用できるようになるまでには長い年月がかかりました。石けんが本格的に製造されるようになったのは8世紀ごろ、一般的に広く使用されるようになったのは18世紀に入ってからのことです。日本には16世紀に入ってきましたが、一般庶民が石けんを使用するようになるのは明治時代以降です。昔の人も、汚れたり、汗をかいたりしたでしょうし、衣服をきれいに洗いたいと思ったことでしょう。石けんがなかったころ、人々はどうやって身体や衣服を洗っていたのでしょうか。

 

 

最も原始的な洗浄方法とは

 

原始の人々は、現代の私たちが風呂に入るように、川や泉のほとりで沐浴をおこなっていました。水で洗い流せば、身体の汚れが落ちることを知っていたのでしょう。沐浴によって、身体を清浄に保つようにしていました。そして、衣服などの汚れも、水を使用すれば落ちることを知っていました。水を利用して、より効果的に汚れを落とすために、川岸などで衣服に水を含ませ、棒で叩いたり、足で踏んだりして、物理的に汚れを落としていたと思われます。衣服を川の流れに晒し、水の流れを利用して汚れを落とすこともあったでしょう。しかし、水だけで汚れを落とすには限界があったことが想像できます。やがて、人々は、水だけでは落とせない汚れは、身の回りにある植物などを利用した洗浄方法で落とすことができると知ったのです。

 

自然風景

 

洗浄方法として広く利用されてきた木やワラの灰

 

身の回りにある洗浄方法の中でも古くから利用されているのが、灰汁(あく)を使った洗浄方法です。灰汁は木やワラの灰を水に浸し、上澄みをすくったものです。石けんの材料にもなる灰汁は、洗浄方法として紀元前から使われていたといわれています。灰汁はアルカリ性であり、油分を乳化させたり、タンパク質を分解させたりして、油分やタンパク質の汚れを落としやすくする作用があるのです。

 

日本でも、洗濯には昔から木灰の灰汁が用いられてきました。江戸時代には、桶の中に水と灰を入れ、桶底の栓口から灰汁を出すように工夫された「灰汁桶」が家々に置かれていました。この「灰汁桶」から取り出した灰汁をたらいに入れて、衣服を洗っていたようです。灰汁による洗濯は、石けんが普及する前には最も一般的な洗浄方法でした。日本において、石けんが本格的に一般庶民に普及するのは第二次世界大戦後であり、そのころまで灰汁を利用した洗浄方法が広く利用されていました。

 

 

石けん

 

なんと、糞尿にも洗浄効果が!

 

灰汁と同様にアルカリ性であるために洗浄方法として利用されていたのが、尿や鶏糞を使った方法です。ローマ時代には、尿を発酵させて作るアルカリ性のアンモンアが、洗浄剤として用いられていたことはよく知られています。イラン地方の織物師たちは、布を尿で洗っていたそうです。また、韓国では灰汁も使用していましたが、白い物の洗濯には尿が最適であるとされており、各家には洗濯のための「尿溜」が置かれていました。日本では、鶏糞の他に、鶯の糞が和服の家紋抜きやしみ抜きに使用されていました。美白効果があるとして、芸者や歌舞伎役者が洗顔料として使い始め、公家や武家、商家の奥方の間でも、もてはやされていました。現代でも、美白洗顔料として美容にこだわる人々に愛用されています。

 

天然の界面活性剤であるサポニンを利用した洗浄方法

 

サポニンは、天然の界面活性剤です。石けんと同じように、油と水を混ぜて乳化させたり、泡立てて汚れを落としたりする働きをします。ムクロジ、サイカチ、大豆、米などの植物に含まれています。同じ界面活性剤でも、弱アルカリ性である石けんとは違い、中性であることが特徴です。ムクロジは落葉高木で、新潟や茨城以西の西日本に広く分布しており、台湾や中国南部、ヒマラヤ、インド北部にも自生しています。日本では庭木として利用されており、種子は数珠や羽根つきの玉の材料にされている身近な植物です。果皮はサポニンを含むため、水に混ぜて振ると泡立ちます。

 

また、サイカチはマメ科の落葉高木で、山野に自生する日本固有の植物です。豆果は去痰薬や利尿薬として利用されるため、栽培されることも多い植物です。莢(さや)にはサポニンが含まれており、水に浸けて揉むと泡立ちます。これらは中性であるために、石けんが簡単に手に入るようになっても、弱アルカリ性である石けんを使用すると、傷む恐れのある絹織物などの洗濯に利用されていました。また、米や大根、大豆などにもサポニンが含まれています。米や大根、大豆を茹でると、細かい泡が立って鍋から噴きこぼれることがありますが、これは、サポニンが溶け出して、泡立っているためです。茹で汁に油汚れの食器などを浸けておくと洗剤を使用しなくても油汚れが落ちます。界面活性作用は石けんに比べるとかなり弱いのですが、世界には現在でも、サポニンを多く含む植物を石けん代わり利用する民族が存在しています。

 

稲穂

 

吸着して汚れを落とす洗浄方法

 

小麦粉、フノリ、卵白、麺類のゆで汁などに含まれる高分子コロイド物質は、汚れを吸着して、不溶性物質となることによって、汚れを取り除きます。鍋の油汚れを吸着させて取り除くには効果的です。古くには、稲や麦の茎を干して粉にしたものを髪につけて、粉に髪の汚れや油を吸い取らせてから、櫛で梳きながら汚れを落としていたようです。江戸時代の洗髪には、フノリやうどん粉、卵白、ツバキの油粕などが使われていた様子が、美人画などの浮世絵に描かれています。髪を美しく整えるために、庭先などで髪を洗う女性の姿は、女性美のひとつとして表現されています。また、赤小豆や緑豆を細かく粉にして香料を混ぜた「洗い粉」や、木綿や絹の袋に、米を精米するときにできる糠や豆類の粉、うぐいすの糞などを混ぜ合わせた「糠袋」が、洗髪や洗顔に使われていました。米糠は、美顔効果もある洗顔料として、今日でも使用されており、米糠を含んだ合成洗顔料も多く作られています。

 

土を使った洗浄方法もあった

 

土を使用した洗浄方法も古くから利用されてきました。イギリスでは、フラー土という粘土が、19世紀まで羊毛の洗浄に用いられてきました。フラー土と水を混ぜたものを原毛につけて押し洗いをすることによって、汚れをフラー土に吸着させて繊維を洗浄していたのです。フラー土という名称は、この作業をおこなう布晒業者がフラーと呼ばれたことに由来しています。フラー土はモンモリロナイト質粘土であり、多孔質の構造を持ち、吸着活性と脱色性に優れた粘土です。油のろ過や染料の漂白にも使用されています。日本でも古くから土を使った洗浄方法が利用されています。特に、油汚れを吸着させるものとして、洗髪や鍋釜の洗浄に、日常的に用いられてきました。

 

石けん誕生以前の人々の知恵

 

このように、人々は古来より、自分の身体と身の回りを清潔に保つために、いろいろな洗浄方法を模索してきました。人々の最も身近にあり、生きるために必要であった水で汚れが落ちることを最初に知ったのは、水の存在を認識した時とほとんど同時であったかもしれません。水は、汚れを溶かす魔法の液体として人々に思われていたことでしょう。やがて、人々の衣食住が進化すると、さまざまな材料が生活に利用されるようになりました。水に溶けない油などを利用することが増えてきたのです。それに伴って、さまざまな種類の汚れに悩まされるようになりました。昔の人々は、身近にあるあらゆるものを汚れ落としに使えないか試してみたことでしょう。そのなかで効果的であったものが、現在に至るまで世界中で利用されています。石けんの誕生によって、洗浄方法は飛躍的に進化し、簡単に効率よく洗浄できるようになりました。それでも、石けん誕生以前に利用されていた洗浄方法のなかには、今でも利用されているものや利用可能なものもあるので、先人たちの知恵として覚えておきたいものです。先人たちは、身体や身の回りを清潔に保つことによって、健康で長生きできることを知っていたのでしょう。先人たちの知恵に感謝しながら、私たちも石けんをはじめとする洗浄方法を上手く利用しながら、清潔を保ち、健康でいたいものです。

 

 

 

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First Penguin(ファーストペンギン)

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